今回は実際にご相談があったお話を共有したいと思います。
労災、民間の保険会社から加入した任意労災は業務上で起きた精神疾患の補償がされるのか?というお問合せです。
精神疾患は従業員さんはもちろんのこと役員さん、社長さんなどにも起こりうる話。
参考になれば嬉しいです。
A社からの相談
A社はインターネット事業を主にしている企業です。
クライアントさんからのお問合せやクレーム対応などをしていた従業員さん、とあるお客様からクレームをうけました。
先方はかなりご立腹の様子で暴言などを受けた従業員さん、真面目な方なので暴言もすべて受けとめてしまったそうです。
そのお客様の連日に渡るクレームにより、とうとうその従業員さんは電話をとることさえできなくなり、さらには勤務も難しく入院することになってしまったそうです。
これをカスタマーハラスメント(カスハラ)と呼ぶのが正しいかわかりませんが、このことによって精神に支障をきたし、入院した場合何か補償はできないのか?というお問合せでした。
結論から先にいうとかなり厳しいです。
精神疾患はご存じのように患者からの申告を元に医師が判断をします。
数値にでるなどがないため、精神疾患の場合には客観的な証明がなかなかできません。
そして労災ですが、もちろん申請することはできます。
ただ、判定までに非常に時間がかかります。
そして申請しても認定されない可能性が高いです。
また、民間の保険会社で加入した業務災害保険は疾病(精神疾患含む)の補償は基本含まれていません。
損保はケガなどに対応するものなので疾病の補償は特約になります。
この特約も各損保会社の中で取り扱いは現在2社だけで保険料も高くなります。
精神疾患などは証拠を残す
今回のA社の場合、労災や損保が難しかったため、まずは傷病手当金の給付を受けていただきました。
傷病手当金は仕事ができない状況が続けば誰でも受け取れます。
また、労災だと月給の6割ですが傷病手当金は月給の8割受け取れます。
労災認定される対策としてこちら側ができることは通話の録音などがあると可能性がでてきます。
ICレコーダーやPCのログなども有効です。
これも必ずしもというわけではありませんが証拠はあるほどいいと思いますので日々気をつけていきたいですね。
できれば使いたくないですが今の時代は仕方ないのかもしれないです。
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