年末はなぜ第九なの?
今回は久しぶりの音楽ネタです。
年末になると街中やテレビでも聞こえてくる「ベートーヴェン 交響曲第9番」。
年末になると演奏されますが、実は日本だけの習慣だってご存じでしたか?
ちなみに昨年の2020年でベートーヴェンの生誕250周年でした。
日本で初めて第九が演奏されたのは1918年(大正7年)、徳島のドイツ兵収容所だったんです。
大体100年ぐらい前の話ですね。
意外と最近の話のように思えてしまいます。
当時の収容所の所長が「彼ら(ドイツ兵)も国のために戦ったのだから」とドイツ兵をねぎらうために演奏会を開催したとのことです。
では、そこからどうやって年末の恒例になってきたのでしょう。
諸説ありますが、有名な二つをご紹介しますね。
①第二次世界大戦の学徒出陣壮行会で演奏がきっかけ
学校の卒業を繰り上げてまで戦地に赴いた彼らに向けて12月に演奏をしたそうです。
そして、無事生還した生徒が亡くなってしまった仲間を追悼する意味で12月に演奏するようになったと言われています。
歓喜の歌ともいわれる第九ですが、悲しい背景がありますね。
②オーケストラの収益安定がきっかけ
第九は演奏メンバーとさらに合唱メンバーで数百人が参加する曲です。
そんな中で戦後、経済的に非常に苦しかった楽団は、アマチュア合唱団に参加してもらうとその家族や友人が聞きに来てくれるので、チケットが売れる!
広いコンサートホールが満席になる!
お金が入ってくる!
そのお金で年が越せる!
という流れで
年末に演奏するようになったといわれています。
リアルですね。
上記のような理由から年末になると第九が演奏されるといわれています。
さて、そんな第九は復活と祈りの意味を込めて演奏されることが度々あります。
東日本大震災で亡くなった犠牲者を追悼するチャリテイーコンサートでは多く演奏されています。
また、長野オリンピックではあの有名な小澤征爾さんの指揮によって平和の意味を込めた演奏がなされました。
海外では1989年のベルリンの壁崩壊の際に歌詞を『喜びよ(フロイデ)』を『自由よ(フロイハイテ)』に変えて東西ドイツのほかに複数の国が参加した混成合唱団で歌われています。
耳が聞こえなかったベートーヴェンはピアノにかじりついて骨からの振動で音を拾い、第九を作ったそうです。
実際に歯形のあとがついたピアノが残っているとのこと。
私も大好きなこの曲。いい曲ですよ~。
年末、良かったら有名な4楽章だけでも聞いてみるのをおススメします!
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