鎌倉交響楽団~五味俊哉さん

鎌倉交響楽団~コンサートマスター 五味俊哉さん

今回はちょっと趣向を変えました。

ご紹介するのは私の所属するオーケストラとして、たびたびご案内してきた鎌倉交響楽団のコンサートマスター、五味俊哉さんです。

本業はメガバンクグループに勤務している五味さんをご紹介します。

そもそもコンサートマスターって何?という方もいらっしゃると思うので簡単に解説します。第二の指揮者と言われており、指揮者とオーケストラの連携をはかる重要なポジションの方なんです。

今年60周年を迎えるオーケストラへの想いをお聞きしました。

お楽しみください♪

 

 

4歳から現在まで

芸術館での演奏会の様子

こまさ:五味さん、練習日ではないのに、わざわざありがとうございます。

早速なのですが、五味さんがヴァイオリンを始めたのは何歳からですか?

味さん:いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。

ヴァイオリンは4歳の時から始めています。

始めた当初の記憶は全くないのですが、気が付いたら50年弾き続けていたことになりますね。

こまさ:ご両親が楽器をやっていたのですか?

左の楽器が通常サイズ、右は16分の1サイズで余興などに使うそうです。

五味さん:いえいえ、両親とも楽器は弾けず、楽譜も読めずと音楽的素養はゼロです。(笑)

小学校の時に母が家で言っていたことはヴァイオリン教室でいわれたことをそのまま繰り返しいるのだと気づきました(笑)。

こまさ:先生の言うことが一番ですものね。他の楽器を演奏したことはありますか?

五味さん:私は鎌倉市立今泉小学校出身なのですが、吹奏楽部でトロンボーンをやってましたよ。

 

 

音が広がる楽しさ

こまさ:私のやっているトロンボーンを経験されていたのですね。音楽を面白いと思ったのはいつごろですか?

五味さん:中学時代ですね。中高では、弦楽クラブに所属していました。

夏のファミリーコンサートは華やかでした。

そのクラブのおかげで他の人と演奏することで音が重なり、幅が広がる。そこで初めて音楽を面白い!と思うようになりました。

その後大学に進んでオーケストラに参加したわけですが、ブラームスの交響曲2番を演奏したときに金管楽器に音が消されてしまうほどの迫力を感じ、圧倒されたんです。

練習の様子。指揮者の横で演奏している五味さん

そこでフルオーケストラの楽しさを知りました。

こまさ:楽器が増えると表現が変わってきますよね。

五味さんが今まで大変だった時期はありましたか?

五味さん:やはり30代から40代の頃は仕事が忙しい時期なんですよね。

転勤や担当部署の異動などで本当に時間がなく、ヴァイオリンを練習する時間の確保ができなかったのはきつかったです。

人をつなぐ手段

こまさ:私もそうですが、団員のみなさん本業の傍らで参加してるので、時間の確保は課題ですね。

では今までで一番印象に残る演奏などありますか?

五味さん:そうですねえ、約四半世紀前の鎌倉交響楽団第71

勤務先の余興などでも演奏を披露しています。

回の演奏会でブルックナーの9番をやったのですが、その時に常任指揮者ではなく、外部からの指揮者でお願いしたんです。

難曲をいつもと違う指揮者で、とのことで団員からは反対意見があったんですが、演奏後に「やってよかった」と言われたときは嬉しかったですね。

他には海外の出張先での演奏は喜ばれますね。

パプアニューギニアでは竹を使った楽器が浸透しているのですが、ヴァイオリンを弾いたときは手品を見ているかのように興味を持って聞いてくれましたよ。

こまさ:音楽は国境を超えるんですね!ところで、コンサートマスターとしての役割として意識されているころはありますか?

五味さん:指揮者のやりたいことをいかに団員たちに伝えるかということだと思います。

ただ、それにはコミュニケーションが大切だと思っています。

指揮者は音楽のプロですが、アマチュアでも人生経験が豊かなメンバーも多い。

だから、お互いを尊重し合える関係を築くことが大切だと思います。

音楽はお話し

マーラーの交響曲4番では調弦を変えた2台のヴァイオリンを使用

音楽って「お話し」と同じで台本(楽譜)に書いてあることをみんなで表現して伝えることなんですよね。

プロはその良さがありますが、私たちアマチュアは多少音程がずれようが、音を間違えようがそれが私たちの表現なんですよ。

完璧を求めているわけではないし、その人の味をだしていいと思っています。

レベルの高い人もいますが、そうでない人もいる。

それがアマチュアの面白いところだと思っています。

ベトナム・ホーチミンのホテルロビーにて

こまさ:なるほど!確かに作曲されたものをいかに伝えるかが演奏になりますね。

では、五味さんがこれから目指していくものをお聞かせください。

五味さんそうですね、加齢による経年劣化の対応でしょうか(笑)

若いころは時間がなくてできなかった、が今は体力的にできないという問題に直面してきています。

まだまだ演奏したい曲はあるので何とかやっていきたいですね。

また、鎌倉交響楽団としては地域密着を意識した活動ですね。

鎌倉の第九や鎌倉市内の幼稚園のお子様への演奏会はこれからも続けていきたいです。

そのためにも、様々なバックボーンを有したメンバーを受容するという多様性、懐の深さが大切だと思っています。

聞いてくれる方のために
色々な場所で活動しています。

鎌倉交響楽団では、定期演奏会の冒頭に「鎌倉市歌」を演奏するなど、「ならでは」の活動を展開しています。

創立100年に向けて世代を超えたお客様の拡大、神社仏閣といった歴史的施設とのコラボなど、更なる地域貢献を進めていきたいと思っています。

こまさ:私も一団員として貢献していきます。五味さん、今日は素敵なお話をありがとうございました!

インタビューを終えて

コンサートマスター五味さんのお話はいかがでしたか?

鎌倉交響楽団は鎌倉市に拠点をおき定期演奏会の他、ファミリーコンサート、第九演奏会、幼稚園協会主催のコンサートなど活発なアマチュアオーケストラです。

団員の数は100名を超えており、その人数を取りまとめているのが五味さんです。

細やかな気配りを欠かさない方で、団員とのコミュニケーションを色々と行っています。

また、ご自身も演奏を本当に楽しんでいらして、活発に演奏活動をしていらっしゃいます。

身内にはなってしまいますが、これからも五味さん率いる鎌倉交響楽団を応援していきたいと思います!

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