円覚寺と共に歩んだ老舗 【有限会社 荒井石材店】

有限会社 荒井石材店 代表取締役 荒井恒夫さん

今回ご紹介するのは北鎌倉駅すぐ近く、山ノ内の石材店「有限会社 荒井石材店」の代表取締役社長 荒井恒夫さんにお話しを伺いました!

有限会社 荒井石材店 代表取締役 荒井恒夫さん

なんて優しい笑顔なんでしょう。

荒井さんご一家は社長をはじめ、奥様、お子さん、従業員さんと皆さんお人柄が本当に良い方たちなんです。

また、ボウリングの腕前は有名で、法人会のボウリング大会では荒井さんの名を知らない人はいません^^。

今話題の北条家に縁がある「円覚寺」の建立にも関わった、ご先祖様のお話も伺ってきました。

荒井家のルーツを知ることができて、規模の大きさに驚きます。

また、石材屋さんで行われる伝統的な儀式についても取り上げてみました。

荒井社長のお話、お楽しみください!

円覚寺創始者と共に

こまさ:荒井社長、今日はよろしくお願いします。

早速ですが、荒井石材店さんは円覚寺との縁が深いと聞いていますが。

荒井さん:いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。

宋(当時の中国)から来た無学祖元禅師

 荒井家の先祖は、円覚寺の開祖である「無学祖元」という禅師に中国からついてきた、一員の一人で、円覚寺の建立に関わった歴史があるんです。

 1282年に北条時宗が禅宗の師として無学祖元を中国から呼び寄せました。

その時に元寇によって殉死した人の魂を鎮めるために建てられたのが円覚寺だと言われています。

 そして、その子孫として今も円覚寺のおひざ元で石材店を経営しているのが私たちなんです。

こまさ:すごい歴史ですね!約800年も前の話ができる方はなかなかいません。

仕事はやはり円覚寺が多いのですか?

荒井さん:お寺だけでなく、石塀、神社の鳥居、お稲荷さんなど幅広く引き受けていますよ。

円覚寺境内の敷石や階段、この石柱も荒井さんが 作成されたものだそうです

地域も鎌倉や横浜などですね。

こまさ:墓石を造ることも多いかと思いますが、難しいと思われるところはありますか?

荒井さん:やはり墓石ってみなさんふんわりとしたイメージが多いんです。

普段墓石を意識してみる機会は少ないと思うのですが、とても種類があるんです。

五輪塔(五つの石を積み重ねた伝統的なお墓)なども驚くほどみなさん違うんですよ。

 お客様の好みやイメージをお聞きしながら、近いものを提示していき、すり合わせていくので、時間がかかる方もいらっしゃいますよ。

仕事始めの儀式

こまさ:私、全然気にしたことなかったです。これから意識して見てみたいと思います。

ところで、毎年仕事始めに行う儀式があると聞いていますが。

荒井さん:はい、年明けには恒例の神様へ向けての儀式があります。

まずはその年の吉方位に向けて石に「矢」を彫っていきます。

順番も決まっていて親方の私から刃をいれ、そのあとに従業員が続いていきます。

矢を彫ったあとには「七・五・三」と縁起の良い数の線をいれていきます。

①親方が石に書いた矢を下書きにそって彫っていきます
②親方が七本の線をいれたあとに、従業員さんたちが五本、三本と線を彫ります

 

荒井さん:彫り終わったあとは、仕事で使う道具と一緒にお酒とお米をお供えし、一年の無事を祈念するんです。

 

③仕事道具と一緒にお供えものをおきます
④ケガなどせず一年無事に過ごせるよう祈ります

 

 

 

 

 

 

 

 

代々伝わってきていることなので、いつから始まったことなのか、どういった意味があるのかなど、はっきりわからないのですが、受け継がれてきているものなので毎年やっていますよ。

こまさ:職人さんならではの伝統的な儀式なんですね。

とても貴重なお話が聞けて嬉しいです!

ところで荒井社長は最初から石材店を継ぐつもりだったのですか?

見て技術を盗む

荒井さん:いやいや、本当なら父から弟が引き継ぐ予定だったんです。

私の学生時代は放送関係の専門学校に在籍して、バンドを組んでボーカルやったりしてました。

ただ、弟が24歳の若さで突然亡くなってしまったんです。

前の日まで元気に仕事をしていたので驚きました。

お客様から予想以上だったと喜ばれた荒井社長のデザイン

そんな事情もあって私がこの仕事をすることになったんです。

こまさ:それはショックでしたね。でもそこからの職人さんとしては色々大変だったのではないですか?

荒井さん:そうなんですよ。

父からは正式に仕事は教わっていないんです。

そのあたりは職人の世界なので、一緒に働いていた叔父がやっていることを見よう見まねで覚えていくしかなかったんです。

 当時は仕事の量も多かったので、勉強する機会には恵まれてましたね。

今は息子が勉強する側になっているので、私や先輩職人から色々学んでほしいと思っています。

歴史ある仕事

こまさ:後継者さんの成長は楽しみですね^^。この仕事をしていて辛いことや嬉しいことはありますか?

荒井社長、夏に行われる例大祭のお神輿を担いでいます

荒井さん:つらいことはね、段々石が重くなってきてるんですよ^^;

同じ重さの石でも年を重ねて重くなってきましたね(笑)。

嬉しいことはお客様から「良く作っていただいて」と言われることですね。

こまさ:それでは荒井さん、最後に一言お願いします。

荒井さん:大正元年から続く当店では、扱ってきた数も豊富です。

その経験を活かし、お客様の不安を解決できるようアドバイスもいたしますので、まずは気軽に問い合わせをしてみてください。

こまさ:今日は普段聞けないお話を、ありがとうございました!

 

◆◆インタビューを終えて◆◆

荒井石材店 荒井社長のお話はいかがでしたか?

扱いが難しいと言われる高額な石。

職人の技で加工するには相当なレベルの技術が必要だと思います。

また、今回の記事には載せていませんが、お墓を扱う方ならではの、不思議な体験談もお聞きできました。

色々なお話を伺って思ったのは、やはり「人を思う気持ちは伝わる」ということです。

先祖を大事にする気持ち、自分が今あるのは過去にたくさんの人たちがあってこそなんだなあと、改めて思いました。

そんな気持ちを汲んでくれるのが荒井さんです。

これからも活躍していってください!!応援してます。

有限会社 荒井石材店

◆住所 鎌倉市山ノ内397

◆☎  0467-22-5346

2件のコメント

船木様
コメントをありがとうございます。
荒井様に確認をしてみましたが、都内の案件はやはり都内の業者さんがおすすめですとのことでした。
せっかくお声かけいただきましたが、ご了承いただければ幸いです。

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