今回は古い懐かしい本を引っ張り出してみました。最初に読んだのは数十年前だと思います。
昭和時代に流行した「寺内貫太郎一家」などで有名な向田邦子さんの短編エッセイ「父の詫び状」です。
著者の少女時代を中心に書かれたもので、24のエピソードに分かれています。どれも短編なのでとても読みやすいです。
やはり印象的なのは昭和の父親像かと思います。
典型的な頑固で威張った父が理不尽であり、滑稽にも見えるその姿は向田邦子さんの静かな描写で描かれてます。
戦時中の話なども書かれており、明日どうなるかわからない一家がとる行動は切ないようなおかしいような。
向田邦子さんは黒柳徹子さんとも仲が良く、留守番電話のエピソードは私が子供の頃に聞いたのにいまだに覚えています。
飛行機事故で亡くなったというニュースはショックでした。
子供の頃に読んだこの本、今になって読み返すと違う視点で見ることができます。
向田邦子さんの惹きつける文章。そして、ありがちな終わり方をしないのはさすがです。
昭和の話でも古さを感じない作品、いかがでしょうか?
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